北京の子供たち 

はじめに

 初めて中国に来た頃感じたこと、それは「中国人の子供は可愛い」ということです。この可愛いというのは容姿ではなく、内面的なものです。親の前でだだをこねて泣いている子供というのをあまり目にしませんでした。
 日本にいる頃、飼い主によく可愛がられている犬はおとなしいと聞いたことがあります。動物と同じにしては失礼ですが、中国人は子供の可愛がり方が上手だなと感じました。とても愛して、抱きしめたりキスしたりしますが、親の威厳は保っていて、子供はよく親の言う事をききます。
 
子供を大切にする風潮
 公共の乗り物に乗っているとたいていこういうアナウンスが流れます。「ツンロウアイヨウシ-ジョンホアミンズーダチュアントンメイダー」漢字で書くと「尊老爱幼是中华民族的传统美德」。意味は「老人を敬い、子供を愛すのが中国人の伝統的な美徳です」となります。 
 日本では老人や病人、妊婦さんに席を譲るのが一般的ですが、こちらでは、それに子供がプラスされます(小学校低学年くらいまで)。 バスでも電車でも、子供が乗車してくるとたいていの人は席を譲ります。自分が子供の時は、大人たちから、ずっとそうしてもらっていたのでしょう。

ショッピングモールの子供の遊び場
 日本のゲームセンターとは趣が違う子供の為の施設が、ほとんどのショッピングモールに存在しています。就学前くらいまでの子供を対象にしています。カウンターで仕切られた囲いの中に、トランポリンや、ボールのプール、滑り台、ママゴトセットの部屋などがあり、これは著者が子供の頃、こんなところあったらいいなと思っていたような場所です。見事に子供の心を虜にしています。子供の世話をしなければいけない祖父母や、仕事が休みの日のパパやママがカウンターに腰かけて、中で遊んでいる子供たちを見守っています。費用は300元とか500元とか結構いいお値段ですが、どこでもとても人気がありますね。

居住区の公園には子供がたくさん
 マンション群の中央には、たいてい公園があり、そこで居住者が話したり、遊んだりしています。日本でも子供を連れて公園デビューなどという言葉を聞いたことがありますが、こちらは人口が多いため、いったいだれがいつデビューしたのかわからないくらい沢山の子供がいます。
  日本だと、子供を取り巻く大人といえば、たいてい若いお母さん達かもしれませんが、こちらでは違います。子供の父母はもちろんですが、世話をまかされている祖父母、そして、公園でトランプをする為に集まっている退職した男性たち、ダンスの練習をしている主婦たちなどなど、幅広い年齢層の男女が子供たちを見守っています。中国人の赤ちゃんがあまり人見知りしないのは、こういう環境で育っているからなんだろうと思われます。

子供関連産業
 町では、幼い子供を対象にした英語スクール、ダンススクール、音楽スクールなどの店をよく見かけます。また不動産が不調な中、学校のちかくに建設されているマンションはとてもよく売れるという話も聞いたことがあります。こちらでも親は子供の為に頑張って働いているのです。

おわりに
 最近になって、こちらでもだだをこねる子供をみかけるようになりました。感情的に子供を叱っている母親も見かけるようになりました。まだ日本ほどではないとはいえ、親のストレスの増大が子供のしつけにも反映しているようです。電車やバスで、子供や老人に進んで席を譲る若者たちの姿を今後も見られればよいなと思います。

kiyoちゃん「絵と歌で覚える中国語」子供がいっぱい
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