北京のスイカ

はじめに

 著者の学生時代、国語の教科書に中国の小説が載せられていました。話のあらすじはよく覚えていないのですが、その話の中に登場する広いスイカ畑と、そこでスイカをお腹いっぱい食べる少年の場面だけは、強く印象に残っています。著者の子供時代は、大きなスイカを家族で食べるのは、楽しみの一つでしたから、この小説の中の少年がとても羨ましかったのを今でも覚えています。「中国ではそんなにたくさんスイカが取れるのだろうか?」そんな疑問が、頭の片隅にずっと残っていました。

スイカ作り?簡単?
 日本在住の友人が、家庭菜園でスイカを作ったことがあります。彼女は「スイカにはたくさん肥料をあげないといけないから」と油カスを土に加えたり、また鳥につつかれないようにザルをスイカにかぶせたりなどして、丹精こめて作っていました。その甲斐あってか、甘くて大きなスイカをいくつか収穫できました。土地のミネラルが少ない日本では、スイカ作りに手間も費用もかかるようです。では中国ではどうでしょうか?

ミネラル豊富な中国の土はスイカ作りに最適!
 土の力が強い中国では、基本的に1年中スイカを販売しています。秋から春までは「ハウスもの」、5月末から9月くらいまでは、「地植えもの」です。地植えものが出回ると、スイカの値がグッと下がるので、多くの人がスイカを買って帰宅する姿をよく目にするようになります。

「安い」って いくらなの?
 中国は広いですが、北の人に聞いても、南の人に聞いても、安い時のスイカの値段は?と尋ねると、たいてい「1元」と答えます。これは、500グラム1元、つまり17円くらいという意味です。グラムでは、あまりピンとこないかもしれませんね、だいたい、大きなスイカ一個が340円くらいとなります。スイカ好きの人にとっては、とても魅力的な価格です。家計を気にせず毎日スイカをお腹いっぱい食べることができるお値段です。

旅行中スイカを食べたいなら
 旅行時でも果物ナイフを携帯している人を除いて、たいていほとんどの旅行客はスイカを食べたくても切るナイフを持ち合わせていません。スーパーでナイフを買う事もできますが、わざわざ買うのが惜しい場合は、店の人に食べやすい大きさに切ってもらいましょう。「麻烦,帮我切一下好吗?マーファン、バンウォーチエイーシアハオマ?お手数ですが、ちょっと切ってもらえますか?」

おわりに
 冒頭で紹介した中国の小説は、魯迅の「故郷」です。小説の中の少年は、畑のスイカを食べても全然怒られませんでした。どうして怒られないのか、当時はとても不思議でした。でも今は、その理由がなんとなくわかるような気がします。私なりの結論は、「たくさん収穫できるから、子供1人が食べるくらいのスイカなら大目にみてくれたのでしょう」です。
 日本にくらべ、中国の果物の糖度は低いとよく言われますが、スイカに関しては、大差ないと思います(あくまで著者の主観ですが)。北京に来たら是非スイカをご賞味くださいね!

kiyoちゃん「絵と歌で覚える中国語」夏はスイカ
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