万里の長城

はじめに

 中国の代表的は建造物はと聞かれ、、万里の長城と答える人は多いでしょう。北方の騎馬民族の襲撃に備えて作られた城壁です。それで、以前から著者は、「万里の長城から眺める景色は騎馬民族の疾駆するモンゴル平原」とイメージしていました。しかし実際行ってみると、予想していた風景とは全然違いました。平原ではなく、山の中です。

モンゴル平原はどこに?
 北京から行くのに便利な長城は、「八达岭バーダーリン」です。よく整備されていて、観光しやすい長城です。その長城に登ってみますと、中国側と外側の風景に大差はなく、山の尾根に沿って長城が続いている感じです。平原を見たいと希望していた著者は納得がいかず、「北の方に歩いていけば、そのうち平原が見えてくるかもしれない」と、ひたすら北に向かって歩きました。しかし、歩いても歩いても、地平線は見えません。同じ景色がまだまだ続きます。

万里の長城の長さってどのくらい?
 2012年に中国の国家文物局が公式に発表した距離は21196.18キロメートルです。つまり約2万キロです。中国本土の東の端から、西の端まで5000キロくらいなのに、壁の長さが2万キロというのは、どうも腑に落ちません。地球の円周が約4万キロだから、2万キロだと丁度地球の裏側、北京から南米のアルゼンチンくらいの距離です。なぜ全長2万キロなどと発表するのか。その理由が後ほどわかりました。

長城博物館で2万キロの謎が解ける!
 「八达岭」の入り口付近に長城博物館があります。そこでは、万里の長城の歴史や、各地の長城の写真を見ることができます。結論から言いますと、万里の長城は、作っては壊され、作っては壊されの繰り返しなので、現存するもの、ほとんど廃墟のものすべて合わせて2万キロということがわかりました。廃墟の写真の中には、平原の中に建築されたものもあり、実物は見れなかったとはいえ、著者としては満足できました。

おわりに
 中国人の友人から、北京の観光は秋がいいと聞いたことがあります。黄砂もないし、快適だからです。著者が長城観光したのは、9月の半ばでした。北京市中心部より、少し気温が低いので、歩いて体が温まってちょうどよいくらいの気候でした。10月の終わりや11月はじめは、山が紅葉するので、景色はいいですが、ちょっと寒いかもしれません。
 日本の地価が高い場所では、隣家との境界の塀が1センチずれるだけでも、何百万円の差が出ると聞いたことがあります。万里の長城は世界一長い塀です。何回も作り直され、隣国との土地問題で長い間もめていたのだろうということがよくわかります。それにしても、よくこれだけ長い壁を作ったなと感心します。ブロックに刻まれているたくさんの人の名前の中には、古代の作業員の名前もあるかもしれません。ご苦労様でしたの一言に尽きます。


アクセス
地下鉄2号線の「积水潭」下車、バス919乗車→「八达岭长城」バス停下車
そこから、無料の送迎バスで、入口近くまで行けます。

今、長城までの地下鉄も建築予定なので、それが開通すれば、地下鉄で行けるようになります。

入場料
入場料45元(4/1~10/31) 40元(11/1~3/31)
長城博物館は入場無料


kiyoちゃん「絵と歌で覚える中国語」長城を歩く
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