北京の京劇

始めに


数年前日本に留学していた中国人の女の子がいました。もともと京劇の劇団員だったらしいですが、大学を卒業したいと思い京劇をやめ日本に来ました。女優だったので、容姿も綺麗でしたが、一番感銘を受けたのはよく訓練された歌唱の技術です。独特の発生技術によって、声がよく通ります。男性はファルセットのような声を出します。

英才教育
今は変化していると思いますが、数十年前までは、中国では本人の能力に応じて比較的若いうちから進路が決まると聞きました。学問に向いている子供は勉強に集中、運動に向いていればそちらの訓練。中国雑技団や京劇の団員もそのように幼いころからの訓練の成果で素晴らしい演技をします。

京劇の劇場
天安門広場の隣にオペラハウスさながらの大劇場があり、そちらで壮大な京劇が演じられることもありますが、昔ながらの劇場もなかなか味があってよいです。市内には、そのような老舗の劇場がいくつかあります。舞台自体は日本の能に似ています。客席の方は能とは全然違い、簡単な食事ができるテーブル席です。

料金
劇場によって多少違いますが、一番安い席で80元くらい、高い席で400元くらいです。

京劇の内容
日本で一番有名なのは、やはり西遊記ですね。孫悟空の如意棒裁きや、他のスタッフたちのアクロバットは目を見張るものがあります。日本では「項羽」として知られている中国の有名な武将とその妻虞美人の物語「覇王(バーワン)」というのがあります。

中国語が聞き取れるか
中国語の先生でも、聞くだけでは意味がわからないそうです。まして外国人が鑑賞するなら、音楽と洗練された舞踊の美しさとか、美しい衣装や、アクロバットを楽しむくらいがいいかなと思います。英語と中国語の字幕があります。

終わりに
休日に北京市内の公園を散歩していると、京劇の中の有名な歌をカラオケで歌っている光景をよく見かけます。今はインターネットの普及で、映像媒体に事欠きませんが、それ以前の北京の人達にとって京劇は何回も足を運んでは歌も覚えてしまうような娯楽だったように見受けられます。人は目新しいものが好きですが、長年蓄積され精錬された芸からいろいろ学ぶところがあります。


kiyoちゃん「絵と歌で覚える中国語」京劇鑑賞
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